宇宙ビジネスと聞いて、あなたが思い浮かべるものはなんでしょう?
「TVとかで宇宙ビジネスってよく聞くけど、実際のところわからない。」
と思っている人も多いのではないでしょうか?
実は、もう宇宙ビジネスは我々が生活している中でも活用されているものが数多くみられようになってきています。
そこで、この記事では宇宙ビジネスの基礎知識から、市場規模、分類などをご紹介します。
「宇宙ビジネスとは?」
宇宙ビジネスとは民間企業のみならず、国家が支える軍事利用も含めたロケットや人工衛星の機材・設備の製造などインフラ(日々の生活を支える基盤)に関わる宇宙空間に関するビジネスのことです。
ですが、現在は国家の運営だったものから民間企業へ連携、委託に変わりつつあり民間企業が参入できる産業へと変わってきています。
例えば、
- 民間企業によるインターネット衛星通信
- 衛星データ(GPS)の活用
などが挙げられます。
宇宙ビジネスの市場規模
宇宙ビジネスの世界の市場は現在約40兆円と言われています。
このまま進めば10年後20年後にはなんと100兆円を超える大きな市場になると言われています。
世界の宇宙関連の民間企業推移は、過去5年間で毎年平均10%を超える勢いで、今や年間13兆円規模のマーケットととなっています。
国内の宇宙事業予算は?
現段階で、日本の宇宙に関する予算は3600億円程です。
しかし、JAXA(国立法人宇宙航空研究機構)が
- 内閣府が運用する人工衛星
- 情報収集衛星
などの安全保障に関わるものと併せ予算の引き上げに動いています。
この予算引き上げが実現すれば現在の約1.5倍の5440億円となり、過去最大の予算となると発表されています。
世界と共に日本も国の予算を大幅に上げ、民間企業との連携を保ちながら宇宙開発が国民の生活や幸せにつながることを目指しています。
「なぜ宇宙ビジネスが注目されているのか」
なぜ宇宙ビジネスが注目されているのでしょうか。
その理由として、以下4つが考えられます。
- 大規模な市場に発達する可能性が大いに期待できること
- 地球上の不安な点を解消できる事案が多くなっている(トレンドも含む)
- 証明されていないことが多い(未発達)であること
- 民間企業が参入できる規模が広がっていること
これらのことが、宇宙関連について注目されている理由だと考えています。
そこで、企業がどのような分野で宇宙ビジネスに参入していってるのか。
10年間で注目される宇宙ビジネスを5つの分野に分けて紹介します。
宇宙ビジネス注目の5つの分野
今後10年間で注目される宇宙ビジネスは
- 宇宙の製造・インフラ
- 宇宙インターネット
- 宇宙ビッグデータ
- 宇宙旅行
- 宇宙探査
の5つ分野であると考えられます。
1.宇宙の製造、インフラ
製造とは、ロケット・人工衛星・地上局の設置、製造などを行うものになります。
最近では、民間企業の参入がする傾向が見られている分野になります。
- 大型、小型ロケット(民間企業)
- SpaceX(アメリカ)
- Blue Origin(アメリカ)
- 三菱重工業(日本)
- インターステラテクノロジズ(日本)
- スペースワン(日本)
2.宇宙インターネット
宇宙インターネット(ネット接続・電話など)とは、電波の届かない山間部や船にネット環境を繋ぎ電波が届かない場所でも人工衛星などを用いて地上とのネット接続を可能にするものとなります。
代表されるものが、衛生携帯電話です。
世界の半分はインターネット未接続
世界の半分の人口は、いまだにインターネットに接続できていない状態です。
ネット環境がない方々にいかにインターネットサービスを提供していくかというところがビジネスチャンスだと思います。
十分なインターネット環境がなく、Netflixなどの動画配信サービスがうまく見られない地域に住む人向けの人工衛星を介したインターネットサービスに注目が集まっています。
通信衛星で災害時もネットが利用可能に
災害が多くなってきている今、地上の電波塔などが被災するとネットが使えなくなるいう事態が起こりつつあります。
ここで、通信衛星(宇宙からの通信電波)を使用することにより、自然災害が起こってしまった場合でも安定してインターネット環境が提供可能になります。
システム企業(民間企業)
- SpaceX
- アマゾン
- OneWeb
3.宇宙ビックデータ
宇宙ビックデータとは、これまで現地に訪れる事でしか分からなかった情報が地球観測衛星を介してよりスピーディーにかつ正確に地上に情報が送られてくるデータのことです。
まさにGOD EYE(神の目)とも呼ばれています。
地球観測衛星データの利用
精度・量が根本的に向上し、色々な分野での利用がきることから注目されています。
以前までは、宇宙(衛生)から地上を撮影して送られてくる写真1枚の価格がなんと数十万円という高単価でしか手に入れることができませんでした。
ビジネスとして扱うことは困難をきわめていました。
しかし、民間企業(ベンチャー企業も含む)が何十機もの小型衛星を打ち上げることが可能になったため、世界のどこでも高頻度で撮影が可能になり、写真1枚の価格も数百円~数千円まで価格を落とすことが出来るようになりました。
民間企業
- Niantic(米)
- 自動車カーナビを扱う会社
- ドローン関連会社
4.宇宙旅行
宇宙旅行とは、地球の大気圏の外側を飛行することです。
この場合飛行船または、飛行体は無人であっても有人であっても変わりはありません。
一般には宇宙空間を人が移動している状態を宇宙旅行(space travel)として捉えられることが多いです。
宇宙旅行の種類
実は宇宙旅行には大きく分けて
- サブオービタル飛行
- オービタル飛行
- 星間旅行(月、火星)
3種類あります。
サブオービタル飛行 (価格約2200〜2500万円)
サブオービタル飛行とは、上空「100km」まで上昇し弾道軌道を描いて地上へ帰還する飛行のことを指します。
- 弾道飛行
- 準軌道飛行
ともいい、わかりやすく言えば、日帰り旅行という表現に一番近いものとなります。
最近では、アマゾンの創業者 ジェフ・ベゾス氏が所有する宇宙開発企業ブルーオリジンの有人宇宙船で「サブオービタル飛行」に成功したと報じられました。
オービタル飛行 (約10億〜22億円)
オービタル飛行とは、サブオービタル飛行では届かなかった地上から「300km」の地球周回軌道を旅行するものです。
宇宙旅行と言えば、オービタル軌道での宇宙旅行のことを意味します。
サブオービタル飛行に比べて、オービタル飛行はリスクも大きい分、数十億円単位の価格になっています。
星間旅行(月、火星) (金額未定)
惑星旅行とは地球からみた、一番近い惑星「月」と「火星」に向けて旅行することを意味します。
この惑星旅行にも実は、2種類存在しています。
・惑星には着陸せず周りを周回する、惑星周回旅行。
・惑星に着陸、惑星に基地を作り住居スペースを確保する旅行。
これらの2種類とも今現在、国と民間で連携して進めているフェーズなのですが民間企業が主導する月・火星旅行の実現は、正直なところまだ先の話になると考えられております。
5.宇宙探査
宇宙探査とは、人類が地球以外の天体などを探査する目的で
- 惑星
- 衛星
- 太陽
- 彗星
- 小惑星
などの探査を目的としています。
なぜ宇宙探査を行うのか
宇宙探査を行う理由は、様々です。
哲学的思想で興味を持ち、地球が誕生した理由を目的としているものや現状の地球問題で環境破壊により人類の生存が出来なくなった場合に第2の地球を見つけ、移住する事により人類の繁栄を存続するためのものなどがあります。
これらのことから「宇宙旅行」1つとっても身近なものになっているのが明確です。
国も「宇宙」に対して予算を上げ新たなビック産業になりつつある今、発展していくことを願っております。
まとめ
市場規模の拡大により、これまで解明されなかった宇宙が明確になり、それを元に新しいビジネスが出てくる事でしょう。
この記事をきっかけに宇宙ビジネスの理解が深まり興味を持っていただけたら幸いです。