ドローンメーカー大手DJIが主催する「DJI CAMP」。
豊富な飛行データとノウハウを有するDJIがが、ドローンの知識と操縦技術にお墨付きを与えてくれる、今話題のドローン民間資格です。
ここではそんなDJI CAMPの受講の仕方やかかる費用などについてまとめました。
DJIの認定資格「DJI CAMP」とは?
「DJI CAMP」はドローン、カメラの開発・製造を行う最大手DJI JAPAN株式会社が主催するドローン操縦者向けの教育プログラムです。
この教育プログラムを修了すると適正なドローン運用の知識と技術を備えていることを示す資格認定証が発行されます。
世界最大手ドローンメーカーに蓄積された飛行ケースや安全性データを元にしてカリキュラムが構成されていることから高い信頼性を誇ります。
一般の人も受けることはできますが、どちらかというと法人や個人事業主が業務として行う場合のための資格という側面が強いのが特徴です。
DJI CAMPの種類
DJI CAMPにはレベルに応じて
- ・DJIスペシャリスト
- ・DJIインストラクター
- ・DJIマスター
の3種類に分かれます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
DJIスペシャリスト
DJIスペシャリストはDJI CAMP認定資格のスタートと位置付けられるものです。
DJIのドローンマニュアルの内容に習熟して、ドローンを使った業務を問題なく適正に行うことができる知識と技術があることを証明する資格となります。
DJIインストラクター
DJIスペシャリストよりもワンランク高度な資格なのがDJIインストラクターです。
DJIのドローンの操縦の知識・技術があるだけでなく、より多くの飛行経験や業務経験があることを証明するものです。
DJIスペシャリストを育成・指導、資格認定を行うこともでき、認定についての責任も負うことになります。
DJIマスター
「DJI マスター」は、
- ・100時間以上の飛行操縦経験
- ・電波法や航空法などの高度な知識
- ・豊富な操縦経験・指導経験
- ・安全運営の知識
を有すると認められたパイロットに与えられる認定資格です。
DJIのドローン資格の最上位であり、DJIインストラクターの教育や監督や資格認定も行います。
他の2つとは異なり、パイロットとしてのキャリアをDJI JAPANが総合的に 判断して直接認定するのが特徴です。
DJI CAMPの内容
DJI CAMPは講習と試験の2つに分かれます。
このうち講習では
- ・DJI製ドローンに関する知識(点検項目やマニュアルの内容など)
- ・関連アプリの利用法
- ・航空法など関連法規の知識
- ・飛行ルールに関する知識(飛行禁止エリアや飛行方法など)
- ・気象に関する知識
- ・電波についての知識
- ・ドローン操縦技量
- ・(GPSを使わない)目視による安定飛行
などについて座学と実技講習で学びます。
受講した後で、講習内容について筆記試験と実技試験が行われ、両方とも基準をクリアすれば合格となります。
DJI CAMPを取得することのメリット
DJI CAMP認定資格を取得すると以下の4つのメリットがあります。
- ・ドローンについての知識が身につく
- ・客観的にドローンの知識があることを証明できる
- ・国土交通省へのドローン飛行許可申請が有利になる
- ・DJIの ドローン保険が割引される
それぞれについて具体的に見ていきましょう。
ドローンについての知識が身につく
DJI CAMPのメリットの一つは、ドローンの適切な運用のための体系的な知識を身につけることができるということです。
というのも、DJI CAMPではドローンを操縦するために必要な
- ・ドローンの正しい知識
- ・正しい操縦方法
- ・飛行モラル
を習得しているかを問われるからです。
資格を取得するための対策をすることで、自然とこれらのドローンの操縦にとって必須の知識・技術を身につけることができます。
客観的にドローンの知識があることを証明できる
DJI CAMPは世界最大手と言われるDJIが主催する資格試験ですから、ドローン業務を行う際のクライアントに自分の実力をアピールすることができます。
ドローンの知識や操縦技術について一定の水準をクリアした場合に認定されるため、DJI CAMPの資格があればドローンパイロットとしての知識・技術があることを客観的に証明することができます。
国土交通省へのドローン飛行許可申請が有利になる
DJI CAMP認定資格は国土交通省へのドローン飛行許可申請の際に添付資料とすることができます。
DJI CAMPの資格の有無が国土交通省の飛行許可の判断基準と完全に合致するわけではありません。
しかし、DJI CAMP認定資格は飛行許可の際に判断材料となるドローンパイロットとしての実力を端的に示すものです。
そのため、DJI CAMP資格があれば国土交通省へのドローン飛行許可申請に当たって許可の判断に有利な資料を得ることになります。
DJIのドローン保険が割引される
DJIの資格を得ることで、DJI JAPANのドローン保険であるDJI賠償責任保険が約1割の割引が受けられることもDJI CAMPのメリットの一つです。
DJI CAMPの取り方
DJI CAMPの受講資格や資格取得までの流れをご紹介します。
DJI CAMPの受講資格
DJI CAMPのすべてに共通する受講条件は
「DJI製ドローンのユーザーであること」
です。
このほか、それぞれの資格ごとに飛行時間などの条件が追加されます。
DJIスペシャリスト
DJIスペシャリストの場合に追加される条件は
・10時間以上の飛行操縦経験がある
ことです。
飛行時間の証明のために
- ・DJI GOアプリのフライトレコードの画面キャプチャ
- ・国土交通省・航空局へ飛行許可申請時に提出した飛行実績書の写し
のいずれかの提出を求められるので準備しておきましょう。
DJIインストラクター
DJIインストラクターでは
- ・50時間以上のドローンの飛行操縦経験がある
- ・過去に国土交通省にドローンの飛行に関する許可・承認申請の経験がある
- ・第三級陸上特殊無線技士資格を保持している
といった条件が追加されます。
DJIマスター
DJIマスターは
- ・100時間以上の飛行操縦経験がある
- ・DJI CAMPの運営に参画できる知識・技術・指導経験がある
と認められたドローンパイロットをDJI JAPANが直接認定するものです。
DJI CAMPの試験内容
DJI CAMPでは筆記試験と実技試験が行われます。
筆記試験は座学で学んだ内容について選択式と飛行計画などのレポート形式です。
試験時間は60分となっていて、全50点中40点以上が合格ラインとなります。
実技試験で審査されるのは、
- ・機体のコンディションの正しいチェック
- ・スムーズな離着陸
- ・精度の高いホバリング・旋回
などの項目です。
DJI CAMPの流れ
DJI CAMPの申し込みから資格認定までは以下のように行われます。
①申し込み
全国各地で頻繁にDJI CAMPは開催されます。
それぞれの地域でDJI CAMPを開催する代理店に受講申し込みをしましょう。
②講座・試験
当日指定された会場に向かいます。
各会場で異なりますが、基本的に当日必要なものは
- ・上履き、又はスリッパ
- ・DJI CAMP技能認定専用テキスト
- ・筆記用具、ノート
です。
DJI CAMPは2日間かけて講座と試験が行われます。
1日目に座学と実技講習が行われ、2日目が筆記試験と実技試験です。
③合否の発表
合格している場合は、資格認定証の発行費用を入金します。
残念ながら不合格の場合は、再試験に向けて受講申し込みを行いましょう。
④資格認定証の発行
発行料を支払うと翌月の中頃に資格認定証が郵送で届くようになっています。
DJI CAMP取得にかかる費用
DJI CAMP認定資格取得には受講料が
- ・DJIスペシャリストの場合60,000円
- ・DJIインストラクターの場合は100,000円前後
が必要です。
DJI CAMPの受講に当たっては事前にDJI CAMP 技能認定専用テキスト(3,300円)を購入しなければなりません。
また、資格認定試験に合格した場合に発行される認定証についても、受講料とは別に発行費用の15,000円が必要です。
DJI CAMP まとめ
DJI CAMPでは、ドローンメーカーの世界最大手DJIによるドローン操縦に関する経験と知識を有すると公認が得られます。
そのため、ドローンを使った業務を行うパイロットとしてはクライアントに対する大きなアピール材料です。
また、DJI CAMPの資格認定を受ければ、ドローン講師としての道も開けます。
ドローンを使ったキャリアをステップアップしたいのであれば、是非ともDJI CAMPにチャレンジしてみましょう。